vol.4 (2014.12.8) | 学会本部活動通信
平成26年度会長
前 一廣
11月の本部での活動状況を簡単に紹介します。
1)第80年会での福島復興関連のシンポジウム開催準備
3月20日(金)午後1時~5時の予定で、福島復興関連のシンポジウムを開催します。シンポジウムでは、原子力学会、土木学会、地盤学会、廃棄物資源循環学会にて福島関連に対応されてきた委員会の中核の先生方を招聘し、化工学会も含めて各学会で取り組んできた内容を講演して頂きます。そののち、1時間かけてパネルディスカッションを行い、今後、学会連携で、政府、廃炉機構などへ福島復興関連を支援していく仕組みの確立等について議論し、今後の協働展開に関するアクションプランにコンセンサスを得ていきたいと考えています。是非、積極的にご参加頂けますよう、宜しくお願いします。
2)秋季大会改革
年会は改革途中ですが、続いて学会活性化を進めるために、秋季大会に関して改革案を策定中です。秋季大会は、学生諸君の口頭発表を妨げるつもりは毛頭なく、積極的な学生の発表を期待しております。秋季大会は部会が中心になってセッションを運営していますが、このスタイルは変更する予定はありません。ただし、昨今、部会シンポジウムが分科会ベースで乱立しており、部会制を敷いた当初の主旨が希薄になりつつあります。また、シンポジウムのオンパレードで、各部会、この大会では何を強調してアピールしたいかが見えにくい状況になっております。より明確にメリハリをつけて、これまで以上に多くの会員、非会員に参加して頂くことを念頭に入れて、今回、本部では以下のような改革案を考えております。
- 部会(分科会)シンポジウムは、「部会セッション、部会サブセッション」という名称でこれまで通り実施。
- その時代の時流をリードする、あるいは次の時代に重要となってくる化学工学分野のトピックスに関して、部会横断でシンポジウムを数セッション開催(開催数上限あり)。
- 英語セッション数の増強(口頭、ポスター発表)
- 運営方式は年会に準拠して外注とし、会場となる大学の先生方のご負担を極力減らす。
部会制の当初の考え方(VISION2011)は、スクラップ&ビルドでありました。部会制を敷いて相当の年数がたちますが、当初数年で立ち上がった部会は、そのまま何の変化もなく続いております。その間、世の中はエネルギーのパラダイムシフト、医療への新展開など、大きく変化しており、社会のニーズにマッチした学会であるはずの化学工学会の対象ベースの部会に変化がないということには少し疑問を感じています。上記、①②を実施することにより、社会の要請にマッチした新たな展開を模索していきたいと考えております。
一方、日本化学会では、この2年の間に大会の7割を英語セッションにすると宣言されております。小生個人は、英語で発表すればそれでよいとは全く思っておらず、みなさま御周知のように、まずは研究の中身で、その表現力の一つとして英語があるというスタンスです。しかし、これから世の中へ羽ばたいていかれる学生諸君は、英語での表現力を無視することはできません。よって、学会としては、海外へ行かなくても学生諸君が英語でのプレセンに磨きをかけることができる機会を設けておく必要があると考えております。たとえば、各部会ポスターセッションで、ポスターだけは英語で作成し、ポスター発表は、日英いずれでも良いという形でも良いと思っております。
以上の素案をもとに、部会CT・部会長会議にて議論して頂いております。一気に変えていくことが難しくても、来年の秋季大会に向けて、各部会の合意のもと、部会がさらに活性化するような方向へと検討を進めて頂ければと願っております。
3)INCHEM東京2015
2015年11月25日(水)~27日(金)に東京ビッグサイトにてINCHEM東京2015を開催すべく、その準備委員会が活動を開始しました。この催しは、当学会の経営上、必要不可欠なもので、学会でも大会と同等レベルに注力しているものであります。すでに、出展の申し込みに関して開始しております(http://www.jma.or.jp/INCHEM/)。法人各位におかれましては、是非、積極的は出展をお願い申し上げる次第です。
また、今回の特徴として、これまでのプラントショーなどの催しに加えて、医療・健康関連の集中展示も検討中です(詳細後日提示されると思います)。さらに別協会の併設催事として医療機器の展示会が開催されますので、医療、健康関連のユーザーが多くビッグサイトは集まると予想されます。よって、これまで出展を見送ってこられた化学部材メーカーの法人各位におかれましても上記ユーザーへのアピールの場となると思いますので、是非、ご出展をご検討ください。
一方、大学、高専の先生方、学生諸君にとっては、本催事は、これまで縁遠いものであったかと思います。化学の新装置、新製品のしくみなどの説明を受けながら、化学工学学問の実社会での使われ方を一気に学習できる場でもあります。東京から遠い地域の方にはハンデはありますが、前向きに見学、学習を考えて頂ければ有難く存じます。
4)第16回APCChE (Sep. 25 - Oct. 1, 2015, Melbourne)
10月にご案内しました標記国際会議のAbstractは受付中です。是非、積極的な参加をお願いします。
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さいごに(つぶやき)
前回の本部活動通信(Vol.3-2)では、若手会員、学生会員へ、小生の想いを記させて頂きました。その後、幾人かの若手会員から共鳴のお言葉を頂いております。まだお読みでない方は、化工学会HPのトップページに載せておりますので、是非、ご一読頂き、ご自身で種々お考えになって頂くとともに、共鳴頂いた方には、非会員の化学工学の同輩にも拡げていって頂ければ幸いです。
小生、週末ごとに2,3時間、「これからの化学工学を担う若手技術者、学生諸君を支える化学工学会とは?」という禅問答を繰り返しておりますが、学会→若手会員の片方向の会員メリットが出るメニューだけではソリューションがなかなかありません。やはり、小生の浅はかな知恵の範囲では、若手会員が会員として学会(自分の専門分野)に誇りと愛着を持って支えていくというベースが必要になるなあという結論です。このことから、今の小生にできることは、若手正会員、学生会員に今後の技術立国日本に必要不可欠な化学工学を会員として支えて頂きたいと、平にお願いすることが最大のアクションと思い、綴っております。是非、若い力で当学会を支え続けて下さい。 (あと7年でリタイアするロートルより)