vol.2022-01 (2022.5.13) | 学会本部活動通信

学会本部活動通信2022年度vol.1

2022年5月13日
2022、2023年度化学工学会会長

 2022年4月から会長職を拝命しました。早稲田大学の松方です。これから2年間どうぞよろしくお願いいたします。

 カーボンニュートラル(CN)の国際的な潮流は、我が国のエネルギー・化学産業に大きなインパクトを与え、これと重畳してプラスチックなど様々な資源の循環についても、サプライチェーン全体を見渡して動静脈産業連携を視野に入れた研究開発と技術の社会実装が求められるようになりました。CN化も資源循環もこれを実現するカギは、プロセスとシステムを専門とする化学工学にあると考えています。  2050年のCNなどのGoalsには、これまでとは次元の異なるスピードでの技術開発と社会実装が求められるとともに、コンビナート等既存のプロセスとインフラの合理的な転換、バイオマスの原料化を含め第1次~3次産業間の強い連携などを同時に実現する必要があります。前回のAPPChEで採択された札幌宣言に基づいて、EfficiencyからSufficiencyへの変化を実現する化学工学のあり方を議論したいと考えています。  化学工学会が社会に継続して貢献するためには、学会運営がサステイナブルであることが必要ですが、財政基盤は盤石というわけでではありません。なかでも、学会の財政基盤の要である展示会事業(INCHEM TOKYO)については、コロナ、DX、CNの動きの中で興味と期待が大きく変わりました。会員が学会運営に積極的に関与していただく環境を整備するため、学会運営の可視化と財政基盤の健全化に取り組み、学会活動基盤の再構築を行いたいと考えています。  年会・秋季大会など様々な行事については、学会で整備したハイブリッドの形式を効果的に活用しつつ、感染状況にはよりますが対面での人間関係の構築、議論、情報交換を復活させて参ります。  化学工学と学会の未来は、会員お一人お一人にかかっていることは申し上げるまでもありません。会員のみなさまが存分に力を発揮していただける学会運営を目指します。会員各位からのご意見は貴重です。事務局にどしどしお寄せください。 (化工誌2022年5号巻頭言を改変)