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会長公選制の導入

〜平成18年度会長から正会員全員の投票による会長選出と会長任期2年の導入〜
  67巻8号(2003-8)会告に掲載
1. はじめに
 学会会員1万人のなかで,会長の名前を知っている方が何人いるであろうか。また,会長の任期が1年であり, 会長になる前年度に次期会長として副会長を勤めることを知っている方は? そもそも,どのようにして会長が選ばれているのかを知っている方は?
言うまでもないが,会長は学会を代表し,学会の将来の方向を決める意思決定者であると同時に, 会員にとっては自らが所属する学会の外部に対する顔であり,象徴である。このために,新会長の選出に際しては, 会長候補者がどのような抱負をもって学会の舵取りにあたるのかを会員が事前に知ることが望まれるが,現行の役員選考規程によれば, 会長選出は必ずしも会員にとって透明なプロセスではない。
 会長公選制は,VISION2011の提言重要10項目のその他として第一に挙げられている (正会員全員による学側会長直接選挙,任期2年など)。また,昨秋の会長と若手会員の懇談会でも,会長公選制の要望があった。 さらに,任期2年については,旧産業部門OBからの要望もある。
なお,高分子学会においても「会員数1万人の学会にふさわしい会長の選出方法はどのようなものか」という問いかけを自ら設定し, 各学会にアンケート調査するなど会長選出方法の検討を始めている。
いずれにしても,社会の趨勢である情報公開の流れから考えても,会長の選出方法は会員に対して透明となるべきであり, 透明な選出方法が多くの会員を学会に引き付ける大きな魅力となろう。
このような透明な選出方法として正会員による直接選挙,すなわち公選制案,ならびに会長の抱負を確実に実現するために 会長任期を従来の1年から2年とすることについて,平成14年度第7回理事会(平成15年2月14日)にて審議・承認された。 そして,その後の3月24日に開催された通常総会にて第7号議案「役員選任規程の改定」の件として提案・承認され, 平成17年度の選挙による平成18年度の会長(学側)から新規程が適用されることになった。
以下に,現行の役員選任規程と比較しつつ,新規程の概要を紹介する。
2. 新しい役員選任規程
 会長の選出にかかわる新しい規程は,以下のようである。新規程において現行規程から変更された点は下線で示してある。
第2章 会長
会長候補者の推薦)
  第5条 正会員30名以上,代議員3名以上,会長経験者,維持会員,部会,支部及び理事は,次期会長候補者を理事会に推薦することができる。
  (注:会長候補者の推薦母体を規定しているが,現行の推薦母体に部会を加えた。また,現行では次々期会長候補者(次期副会長)を推薦しているが,新規程では次期会長候補者とした。)
    2. 理事会は,理事会に推薦された次期会長候補者の中から総会に推薦する候補者を選定するために,正会員全員による会員投票を行う。
  (注:推薦された会長候補者を絞り込むために正会員による投票を行うことを規定している。現行では,理事会は,支部の推薦する者及び理事会の推薦する者により会長が決定する次々期会長候補者諮問委員会を設け,この委員会が候補者についての答申を理事会に提出する。この方法では,この委員会が非公開であるために,どのような抱負をもっている候補者がどのような方法で会長に選出されているかを会員は知ることはできず,総会で次々期会長候補者を初めて知らされることになる。)
    3. 理事会は,会員投票結果に基づき次期会長候補者を決定し,総会に推薦する。
  (注:理事会から総会に推薦する会長候補者を決定するが,現行と同じである。)
    4. 第1項,第2項及び第3項の規定にかかわらず,会員投票を経て会長が就任した年度の翌年度会長の候補者に限り,理事会の議決によって,理事会は会員投票を経ずに当該会長を再任会長候補者として総会に推薦できる。
  (注:会長任期2年が可能となるように,1年目は会員投票を行い,2年目は理事会の議決によって再任候補者として推薦できるようにした。これは,定款上は,会長任期が1年に規定されているので,これに従ったものである。なお,継続性が必要な事項については,副会長を始め,理事の任期が半数交代で2年任期であることで保障する。)
会長候補者推薦にかかわる公示)
  第6条 次期会長候補者の推薦にかかわる公示は,化学工学誌に掲示する。
  (注:現行の次々期会長候補者を次期会長候補者とした。)
会長候補者選定のための会員投票
  第7条 次期会長候補者選定の会員投票のために,理事会は会長候補者選定投票規程に従い,理事会の下に会長候補者選定投票管理委員会を設けて投票管理を行うこととする。
  (注:会員投票のための「会長候補者選定投票管理委員会」を設置し,投票管理を行うことを規定した。)
(会長の選任)
  第8条 次期会長は,総会で選任する。
  (注:現行第8条2項では,「選任された次々期会長は,次期副会長を勤める」と規定しているが,改定第8条では2項を削除した。)
第3章 副会長,理事及び監事
(副会長候補者,理事候補者及び監事候補者の推薦)
  第9条 副会長候補者,理事候補者及び監事候補者の理事会への推薦は,会長が行う。
  (注:会長任期2年制に伴い,現行の「会長および次期会長」を「会長」のみとした。)
3. おわりに
 以上,会長公選と任期2年の新規程は決まったが,各立候補者の抱負を会員に公示する方法(学会HPのみとするか,化学工学誌にも掲載するか),正会員による投票の具体的方法(Webとするか,紙による投票か)などの具体的な手順は未定である。今後,1年間強の準備期間を経て,円滑な実施に努めたい。
 平成14年度庶務理事,工学院大学工学部 五十嵐 哲)
 同上,東京大学大学院工学系研究科 中尾 真一)