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CREATIVE CHEMICAL ENGINEERING COURSE 5
「分離-物質の分け方・分かれ方」

相良 紘
海野 洋
渋谷 博光 共著
化学工学会監修 \1600+税

本書は、混合物中から目的物だけを取り出したり目的物中に含まれる微量の不純物を取り除いたりする分離技術にスポットを当てた.分離技術は、農薬・医薬・食品加工を含めた化学工業から資源開発や環境浄化にいたるまで産業技術・環境対策技術として広く活用されている。著者らは、このように幅広く重要な分離技術の全体像がとらえられるように、身近な生活の中での具体例から出発して工業現場や研究開発に登場する多くの例を挙げ、それらを原理的にやさしく説明している.
大学生・研究者はもとよリ、企業で分離技術に取り組もうとする初心者や分離技術に携わる中堅技術者にも大いに役だつであろう.

  1. 分離とは
    1・1分離を概観する
       酒造り黒幕
       分離のいろいろ
    1・2分離技術は暮らしを支える
       煮込み料理の臭みを除く原理は共沸蒸留
       冷蔵庫に入れた食品が乾燥するのは蒸発
       乾燥食品の作り方は一種の晶析
       アク抜きは水を溶媒とする抽出
       日本茶の風味の決め手は抽出条件
       ジュースづくリは遠心濾過
       卵白のアワ立てに利用される等電沈殿
       卵の鮮度を見分ける原理は浸透圧
       焼き魚や漬物づくりの基本は浸透圧を利用する膜分離
       煮出し汁のアク引きは卵白による吸着
       悪臭を除くには活性炭による吸着
       香り成分の保持にはシクロデキストリンによる包接
    1・3分離にはエネルギ−を使う
       分離のエントロピーと仕事
       分離のエネルギーとコスト
  2. 相変化による分離
    2・1蒸気圧を利用する
       蒸発の難易を決める分子間力
       水の特異な性質を誘発する水素結合
       蒸留の原点(単蒸留)
       工業的な蒸留装置のしくみ(連続精留)
       原油の分留
       溶液中の成分の蒸気圧と気液平衡
       分離の難易度
     [コラム]極性分子と非極性分子
          蒸留分離なくして蒸留酒なし
          アルコール分96%!?
    2・2沸点の変化を利用する
       水の沸点を下げる異種分子間力
       特殊な沸点を示す共沸混合物
       共沸蒸留で得られる純エタノール
       分離を楽にする共沸蒸留
       見かけの沸点を上げる抽出蒸留
       共沸蒸留か抽出蒸留か
    2・3化学反応を利用する
       反応させてから分離
       反応しながら分離(反応蒸留)
       反応で分離(反応吸収)
     [コラム]大気汚染物質の除去(C02とS0xの除去)
    2・4結晶を利用する
       界性体分離に有効な晶析
       相律と固液平衡
       分離に好ましい共晶型
       共晶と固溶体の見分け方
       結晶の洗浄と発汗
       晶析精製装置の一例
    2・5昇華を利用する
       高機能な薄膜の製造
       化学工業に不向きな昇華
  3. 相間の分配による分離
    3・1溶解度を利用する
       分子間力で異なる溶解性
       2つの液相への分配(液液抽出)
       エ業的な液液抽出装置のしくみ(運続抽出塔)
       芳香族炭化水素の抽出
       後始末のほうが大事(容媒の分離・回収)
       液液抽出の得意分野
       天然物の分離(固液抽出)
    3・2溶媒の特殊な親和力を利用する
       金属を溶かす有機溶媒(裂く錯体形成による溶解)
       ウランの濃縮
       気体でも液体でもない状態(超臨界状態)
       溶解力を自在に変えられる超臨界流体
       トラブル転じて福となす(超臨界流体抽出)
    3・3クロマトグラフィーを利用する
       クロマトグラフィーのいろいろ
       分離性能の決め手
       分析の王者(ガスクロ)
       ガスクロの顔(検出器)
       ガスクロの対抗馬(液クロ)
       液クロの構成
       液クロのエ業的分離への展開
     [コラム]クロマトグラフィーの起源
          ガスクロの心臓部(分離カラム)
    3・4吸着を利用する
       吸着とは
       吸着とクロマトグラフィー
       吸着分離の基本(吸着平衡)
       吸着塔内を移動する吸着ゾーン
       吸着剤交換の目安(破過曲線)
       連続操作はスイング法
       吸着剤の見かけの移動(擬似移動層) 
     [コラム]低温のほうが大きい吸着量
  4. 形状の違いによる分離
    4・1沈降を利用する
       ストークスの法則にはじまる粒子の沈降
       沈降速度を支配する因子
       沈殿装置のいろいろ
     [コラム]ストークス
    4・2遠心力を利用する
       遠心力に及ぼす因子
       遠心力は重力の数千倍(遠心沈降)
       ウランの濃縮(ガス遠心法)
       ガス中の微粒子除去(サイクロン)
     [コラム]回転している粒子に働く遠心力
          洗濯機の脱水は1分も回せば十分(遠心脱水)
    4・3ガス分離膜を利用する
       透過速度で決まるガス分離
       ガス分離のいろいろ
    4・4濾過を利用する
       あらゆる所で活躍するフィルター
       超微粒子をこし分ける精密濾過膜
       分子をふるい分ける限外濾過膜
    4・5逆浸透を利用する
       小さい分子をより分ける逆浸透膜
       濃度の上げ過ぎは禁物
     [コラム]海水の淡水化と溶液の濃縮
    4・6液体膜を利用する
       液体を膜にする工夫
       界面活性剤によるエマルションの安定化
       膜透過の推進力
     [コラム]一挙両得(ウランの精製)乳化液体膜の実用化(亜鉛の回収)
    4・7分子ふるい,包接化を利用する
       分子を見分けるぜオライト
       枝つきの嫌いなゼオライト
       尿素のトンネル
       曲がったものを締め出す尿素
  5. 解離性の違いによる分離
    5・1イオン交換を利用する
       イオン交換体のいろいろ
       硬水の軟水化
       純水の製造
       食塩の濃縮と脱塩(イオン交換透析)
       同種イオンの識別(イオン交換クロマトグラフィー)
    5・2電気泳動を利用する
       電気泳動法のいろいろ
       分離の決め手ほ緩衝溶液
       天然物質の性状判定(濾紙電気泳動)
       大量分離への道(連続ゾーン電気泳動)
  6. 特殊な作用と場による分離
    6・1磁気,電気を利用する
       鉱石をより分ける磁力
       石炭の脱硫・脱灰(高勾配磁気分離)
       分離には善玉の静電気
       煙道ガスのダスト除去(電気集塵)
    6・2泡を利用する
       泡立ちと泡のいろいろ
       泡の消し方
       泡と一緒に浮上する鉱石(浮遊選鉱)
       分離に効くのは界面活性の度合い(泡沫分離)
    6・3レーザーを利用する
       レーザーの動作
       同位体を見分けるレーザー光
       励起した原子のイオン化(ニ段階光電離)
       励起した分子の単分子化(二段階光解離)
       励起した分子の化学反応(選択的光化学反応)
       分子を一度に解離(多光子吸収)
    6・4拡散を利用する
       重い分子は動作が緩慢(ガス拡散)
       加速度に差のある同位体(ノズル分離)
       温度勾配で生じる濃度差(熱拡散)
    6・5触媒反応を利用する
       気温の逆転現象と大気汚染
       硫黄酸化物の生成と酸性雨
       窒素酸化物の生成と光化学スモッグ
       石油中の硫黄化合物の除去(水素化脱硫)
       排ガス中の窒素酸化物の除去(選択接触還元)