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女性会員からのメッセージ No.36
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「日々成長?」
福岡大学  大渕 英子
 この原稿がホームページに掲載される頃、私は新しい命を手元に抱いていると思います。 執筆依頼を受けたときには予想もしないことでした。 そのころ(福岡大学での2006年秋季大会のとき)一人目の娘が保育園の年長クラスになり、「今年は、泊まりの出張の心配も何にも心配しなくていい!」と学会の地元開催や子供の成長を喜び、自分の中では、保育園からの呼び出しにビクビクしながら仕事をする生活に終わりを迎えるつもりでいました。 その後、数年ぶりにまた新しい命を授かり、喜びとともに、またあの生活が始まるのか・・・と、そして育児に家事に協力してくれた夫も今度は単身赴任でいない・・・と少し不安を抱きつつ、この原稿を書いています。 原稿を書くにあたってバックナンバーを読ませていただきました。そして、既婚未婚、子供の有無に関わらず、すべての方が社会人としてきちんと仕事をされていることを改めて認識し、こんな私が執筆を引き受けてよかったのかしらと不安になっているところでもあります。 まあ、あまりきちんとしていない私でも子供がいて仕事しているのだから、女子学生のみなさん、将来、どちらかひとつを選ばす、両方がんばって!と願いをこめて書かせていただきます。

 私は現在、福岡大学工学部化学システム工学科で助教の職についております。九州一のマンモス私立大学なので、学生数が非常に多く、「教育」と「研究」の両方を実践するにはかなりのエネルギーが必要だと感じています。 これまでも3年次の化学工学演習や実験、研究室に配属される学部生や修士の学生との検討会、演習指導、卒論および修論作成に関わる実験のサポート等、日々忙しく行ってきましたが、今年4月から「外書講読演習」という、簡単にいえば、学生が英語の教科書や文献等を読み、最終的には英語でプレゼンテーションができるように・・・を目標にした演習指導も加わりました。 直接の上司である中野勝之教授と共担ではありましたが、前期の途中から産休をとるため、それまでは一人で対応することになりました。 内心、(私が指導して欲しいくらいだよ・・・)と思いつつ、教材を選び、予習・・・と準備万端のつもりでいましたが、実際、4月に演習が始まってみると思ったようには物事は進まないことを実感しました。 でも演習は楽しいです。 学生が思っていること
がライブで伝わります。 初めての単独での演習指導はたくさんの反省点と少しの達成感を残し、無事終了しました。 数人の学生から「先生、がんばって赤ちゃん産んでねー。」と応援の声をかけてもらい、ちょっとハッピーな気分にもなりました。

 研究についても少し。
現在は、中野研究室で開発したチタニア光触媒を環境浄化技術に利用する研究を行っています。このチタニアの製造と販売を行う、チタニア総合科学技術有限責任事業組合(通称、チタニアLLP)が設立され、LLP内の企業で製造・販売をしていくことになり、現在、製品の試作、サンプル品の提供、安全性テストなど徐々に準備が進んでいます。 ずっとビーカーで作っていたチタニア溶液が、スケールアップされた装置で製造されることになり、またLLPの構想から設立まで、大学にいながら間近でみることができ、とてもよい経験になりました。 また、研究等で得た知見を、地域の高校生(例えば、大学附属大濠高校の化学部や福岡工業高校の化学工学コースの課題研究など)に還元するプログラムも少しずつ実施しています。

 このように大学以外の方々とも関連を持ち、忙しくも楽しく仕事ができる今の環境をとても幸せに思っています。 仕事で知り合った方々、上司の中野先生、そして家族のおかげです。 仕事、育児、家事などすべて完璧にこなすことは難しいので、その場でできることをできる範囲で、力を入れすぎず抜きすぎずやっていく日々成長の毎日です。


研究室の学生と一緒に(執筆者中央)


大渕 英子(おおぶち えいこ)氏

所属: 福岡大学工学部化学システム工学科 助教
                                    (最終学歴:福岡女子大学家政学部家庭理科科卒業)
E-mail: eobuchi@fukuoka-u.ac.jp
 

(2007.8 掲載)  

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