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女性会員からのメッセージ No.35
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「インクジェットカラーフィルター用インクの開発」
 
大日本印刷(株)  河原 真紀子

 今回の原稿を依頼されてから、バックナンバーをいくつか読ませていただきました。様々な分野で多くの先輩方がご活躍されていることを知ることができ、大変参考になりました。私は入社3年目であまり多くの経験はないのですが、現在の仕事内容などの紹介が少しでも参考になれば幸いです。

 私の担当するテーマは入社してから今まで、インクジェット技術を用いて液晶カラーフィルターを製造するためのインク組成の決定と、インクジェット方式で作製したカラーフィルターの性能評価です。私は化学工学専攻ということもあり、製品を作り出すプロセスに興味を持って入社しました。今の仕事であるインクジェットカラーフィルター製造用インクの開発は、材料であるインクの組成を決めていくことから、製品であるカラーフィルターの評価までという始めと終わりの部分に関ることができます。材料から製品までという全体の見える仕事をするということにやりがいを感じています。

 学生時代は化学工学専攻の分離工学研究室に所属し、活性炭等の吸着剤に関わる研究をしておりました。会社に入った当初は全く異なる分野に進んだため、カラーフィルターとは何か、光の3原色はどう表すか、という基礎的な部分から学ぶことになりました。まだ現在でもインク組成や乾燥による形状変化など、実務や社内研修を通して新たに学ぶことが多くありますが、周りのサポートもあり専門家として意見できるようになりつつあります。

 私の担当するテーマであるインクジェットカラーフィルターを以下に紹介させていただきます。液晶カラーフィルターとは、液晶テレビの色を表現するための必要不可欠な部材です。虫眼鏡でテレビの表面を拡大すると赤青緑の3原色が小さな四角になり無数に並んでいるのが分かりますが、これがカラーフィルターです。私たちが普段見ているテレビの色はこのフィルターを通すことで表現されています。なぜこのフィルターをインクジェット方式で作製するかというと、インクジェット法は、従来法(フォトリソグラフィー方式)と比較して省材料化、工程簡略化による低コスト化が可能だからです。たとえば着色工程だけで40%程度のコストダウンを見込めるというメリットがあります。この技術確立に対する社内外へのインパクトは大きく、非常にやりがいを感じています。

 現在の私のささやかな夢は、最終製品であるインクジェットカラーフィルターを用いた液晶テレビを自宅用に購入することです。自分で手がけた製品が形になって消費者の側に立って手に入れられれば、誇りに感じますし、大きな達成感があると思います。この夢は半分かなっており、昨年の8月にDNPカラーテクノ亀山にインクジェットカラーフィルター用のインクを採用していただき、液晶テレビの一部にインクジェット法を用いたカラーフィルターが用いられております。

 以上のような業務なのですが、職場には女性が約3割おり、結婚されている方も多く、現在育児休暇中の方もおられます。女性の働き方という面でも、日常の仕事の進め方の上でも参考になる先輩方が多く働きやすい環境です。実験を行う場面では、特に女性であるということを意識せず男性と同等の仕事を行っています。日頃は女性だからということを特に意識するわけではなく、自分にできる最高の仕事をして社会の役に立つことができれば幸せだと思っています。これからもっと広い範囲の業務でよりよい環境の中、女性が働けるようになることを願っています。

 

 


就労中の河原さん
河原 真紀子(かわはら まきこ)氏
大日本印刷(株) 研究開発センター像情報研究所4G

(最終学歴:京都大学工学部工学研究科 化学工学専攻)

E-mail:Kawahara-M5@mail.dnp.co.jp
(2007.7 掲載)  

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