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男女共同参画委員会
女性会員からのメッセージ
No.30
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本能の赴くままに
旭硝子(株) 神戸 美花
はじめまして。現在、企業の研究所で働いています。
最近、自分がこの分野に10年以上いることに気づきました。振り返ると、学部生で研究室を決めるとき、地球に優しい何かをしたいと思っていました。いくつか候補があった中で、選んだのが「太陽電池」でした。そして、修士を卒業して企業に就職しました。就職してからも、幸いにして太陽電池に関する研究を続けています。また、上司の勧めと周囲の協力、先生のご指導のおかげで、最近、ドクターを取得することができました。しかし、10年も同じ業界に居る割には、まだまだ、勉強不足なのを恥ずかしく思います。
高校生の頃には、大学院に行くことは全く考えていませんでした。しかし、学部4年になる頃には、学部から大学院へ行くことに、躊躇は無かったように思えます。私がいた大学は、4年に上がるときに研究室所属をします。
つまり、学部4年で卒業してしまうと、研究テーマが分かってきたあたりで卒業してしまうことになります。また、私の周りでは、修士に行くことがごく当たり前のことでもありました。そして、修士でも、学部のときと同じ太陽電池に関する研究室に所属しました。
女性の数は、学部で1割程度、太陽電池の分野でも女性研究員の数は多くはありませんでした。その分、「女」というだけで目立ちます。目立つことは良いことと捉えています。何か発表すると、「あの女(の子)が報告していたこと」として、研究内容を記憶してもらえるかもしれません。また、皆が自分のことを気に掛けてくれるかもしれません。しかし、甘えすぎると、自分だけでなく、他の女性研究者の信用を落としかねません。むかし、「女性の敵は女性」と述べているのを見つけたことがあります。学生ながら、恐ろしく思ったのを覚えています。今でも、「女性の敵」にならないよう、自戒の日々です。
入社後、本社での合同研修を経て、三交代実習をしました。実習場所は「型板ガラス」を24時間生産し続ける場所でした。型板ガラスとは、溶けたガラスを二本の鉄のロールではさむことにより成形したガラス板です。朝も昼も夜中も、現場の方が熱いガラスが流れるのを監視し、炉などの装置を点検し、不良品が発生していないかを検査します。女性も夜勤が可能になった初めての年だったので、三交代現場に女性を入れるのは、実習とはいえ、会社も勇気がいることだったと思います。幸い、体は丈夫だったので、夜勤にも耐え、事故も起こさず実習を終了することができました。たった2週間でしたが、よい経験をさせていただきました。
会社には多くの女性がいます。女性が周りに数多くいるのは高校以来だったので、正直、馴染めるかどうか不安なぐらいでした。その女性たちも、いろいろな方がいらっしゃいます。これから私が経験するであろう、いろいろなことを既に経験している方です。結婚している方、産休・育児休暇経験済みの方、など。また、一方では、結婚した夫の転勤に伴い退社した方もいます。そして、未婚ですが既にマンションを購入している方も。
私も“30代以上・未婚・子ナシ”のいわゆる「負け犬」になって数年になります。未だに、これからどうやって生きていこうか、まだ決めていません。いつ結婚しようか、いつ、子供を生もうか。そもそも、子供が生まれるのか。人として、育てられるのか。また、育児休暇をとっている間に、研究の世界から取り残されないか。そして、好きなだけ実験に取り組む生活が続けられないということに、耐えられるのか…。
しかし、本文を書いているうちに、「案外、大丈夫かもしれない。」と、思い始めてきてしまいました。第一、このコーナーに登場してきた先輩方は、大変だけど大丈夫、とおっしゃっているように思います。産休と育休で約2年間会社にいないことが、これから数十年続く研究生活に、どれほどのマイナスを与えるのでしょうか? それよりも、家族を持つという、新しいことを始めるのは、今とは異なるものの見方を得るチャンスと捉えることもできます。最近はインターネット環境も良くなっています。セキュリティソフトを利用すれば、家にいながらも社内ネットワークにアクセスすることができます。その気になれば、論文も家にいながら読むことができます。
そもそも、私のような「負け犬」は、興味を持ったらやってみる、という習性故に、今、この状態にあるのです。
もし、子供を生み育てることに興味を持ったら、やってみれば良いのですね。多少、高齢になっても、医学の進歩は補ってくれることでしょう。
神戸 美花(かんべ みか)氏
旭硝子(株)中央研究所
(最終学歴:
東京工業大学大学院
理工学研究科電子物理工学専攻 博士)
E-mail:mika-kambe
@
agc.co.jp
(2007.3 掲載)
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