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女性会員からのメッセージ No.26
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化学工学から「乳を科学する」
雪印乳業(株) 十亀 仁美 

 今回原稿を依頼され、本企画のバックナンバーを読ませていただきました。 多くの女性の方が幅広い分野でご活躍されているのを知ることができ、その経験や考え方は私自身も非常に参考になりました。 私の経験も化学工学の分野で仕事をしている女性の一人として、多くの方の参考になればと思っています。
 修士過程修了後、雪印乳業に入社し、膜などによる乳の分離精製を担当する部署に所属しています。 ラボレベルでの乳の分離精製や既設工場設備のメンテナンス、設備導入における運転条件の設定などが主な業務です。 当社では「乳を科学する」ということを重視し、得られた知識や技術を商品に応用しています。 研究を通し、乳の奥深さを強く感じ、非常に興味深い研究対象であると感じています。 仕事に携わってから、ラボレベルでの実験は学生時代の実験の延長という感じでしたが、 工場の実設備となるともちろん大きなものであるため、はじめはラインを追ってどのようにつながっているのかを 把握するのに精一杯で、このようなものを扱っていけるのか不安になったこともありました。しかし多くの設備に 接するにつれ徐々に慣れ、自分でこれらを操るのだ、という強い意思が出てきました。まだまだ半人前なので勉強中ですが、 実際に製品が作られる過程を担えることは非常に楽しいことであり、化学工学のような研究分野の醍醐味であると思っています。
 私の学生時代は化学工学のコースに進みながらも、どのように使っていくものなのかイメージができずにいました。 4年からは晶析に関する研究室に所属し、結晶の成長現象について研究をし、顕微鏡などを用いて一粒の結晶と 必死に向き合っていました。今の研究とは直接結びつきませんが、研究に没頭したり、多くの仲間と話をしたりすることが できた時間は貴重な財産であり、また化学工学の意味や役割をつかむことができた時間であったと思います。
 企業での研究職に携わり、学生時代との研究とは大きく異なると感じました。企業の研究開発とは、 開発した技術を商品に結びつけなくてはなりません。そのためには現在の業務である原料から目的物質 をどのように回収するか以外に、副産物の回収・利用、膜などの設備の維持・管理・洗浄や目的物質の機能や分析方法など、 さまざまな事項を検討し、製品として世に送り出していく必要があります。よってこれらの分野を他のグループとともに 検討していかなくてはならず、研究所としてのチームワークが重要となってくると感じました。その中で自分の役割を果たし、 自分が携わった商品が世に出ていくときの充実感は非常に魅力的であると思っています。
 当社には女性研究開発者の方々が多数おり、もちろん子育てをしながら働いている方もいます。当社も他の多くの会社と同様、 育児をしながら働き続けるための制度が充実していますが、働きつづけるにあたっては自らも強い意志を持つことが 必要であると思います。常にチャレンジ精神や目的意識を持ち、自分を磨き続け、多くの商品に携わっていくことが 私の目標です。
 女性は男性には無い感性や視点を持っていると思います。これから多くの女性技術者がさまざまな分野で 働くことを期待しております。一緒に頑張っていきましょう!
 

十亀 仁美(そがめ ひとみ)氏
雪印乳業(株)技術研究所
(最終学歴:東京農工大学大学院 
        応用化学専攻 博士前期課程修了)
e-mail address: h-sogame@snowbrand.co.jp
(2006.11.14 掲載)  

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