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女性会員からのメッセージ No.16
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どこへ行っても大丈夫!
産業技術総合研究所 吉宗 美紀

私は産業技術総合研究所(産総研)に就職してから2年目になりますが、産総研の女性研究者数は7%程度と多くはないものの、男女格差を感じることはなく、制度の充実した恵まれた環境で仕事ができていると実感しています。女性研究者の採用人数も今後増える傾向にあるようですし、これからますます女性が活躍する場も多くなってくるのではないでしょうか?むしろ選択肢が増えたことによって、どのようなキャリアプランを描けばいいのかが今の学生さんには悩みとなっているのではないかと思います。

 私自身はこれまで二度の大きな転機がありました。一度目は、大学卒業後に就職した化学メーカーを退職することを決めたときです。学部卒での就職でしたので、4年生で研究室に入ってすぐの時期に内定をいただいていました。1年しかないからと集中して研究ができたためか結果も早く出て、研究の面白さを感じられたときに卒業を迎えてしまい、「もっと研究がしたい」と思っていた中、就職先で配属されたのは人事部でした。ここから研究畑には戻ることはないと言われたことがきっかけで、多くの方に迷惑をかけてしまいましたが、お世話になった上司や先生方のご理解をいただき、会社を辞めて大学院に入り直すことに決め、もっと広い視野を持とうと、北海道大学の分野の違う研究室に進学しました。

 二度目は博士課程への進学+留学を決めたときです。修士課程のときも就職活動はしていましたが、大学時代の失敗 (?!) が尾を引いて、なかなか決心のつかない中、教授から一年間のアメリカへの交換留学の話をいただき、それが博士課程への進学の決め手になりました。留学先では、最初は 英語の壁に大いに悩まされましたが、国籍・年齢層の異なるたくさんの人に出会い、密度の高い毎日を送ることができました。アメリカの大学内では男女格差を感じることはありませんでしたが、「実力差」に関しては大変シビアで、ドクターコースの学生の場合、給料や卒業年数などに大きく反映されていました。(私の給料はもちろん1年目の学生さんより少なかったです。)日本で学生をしていると案外忘れがちだと思うのですが、給料をもらって研究をしていると、学ぶ「権利」と責任を果たす「義務」の重さを思い知らされ、研究者としての在り方を見直す良い機会ともなりました。

 博士課程修了後は産総研に採用していただき、現在は膜を用いた分離技術の開発研究を行っています。大学時代は有機化学、大学院では触媒化学と違う分野で研究をしてきているので、化学工学に関してはまだまだ勉強不足を実感する毎日ですが、これまでの経験が全く活かされないということはなく、むしろ分野の融合によって新しいモノ作りをしていこうという姿勢で日々膜作りに取り組んでいます。

 タイトルの「どこへ行っても大丈夫」は、私が友人からよく言われる言葉です。根拠はあまりないそうなのですが、この少し変わった経歴と今でも趣味で続けているバスケのおかげでそう見えるのかもしれません。今はまだ大丈夫と言えるほど余裕はないのですが、不思議と今までは選んできた道に後悔はなく、周りの方の助力をいただきながら、前向きにやってこられたのも事実です。この文章を読んで下さっている女子学生のみなさんにも、常識などに振り回されずに自分の道は自分で決めて進んでもらいたいなと思います。周りの人を説得できるだけの熱意があれば、きっと「どこへ行っても大丈夫」になりますよ!


「女性スタッフと一緒に」(右から2番目が筆者)

吉宗 美紀(よしむね みき)氏
(独)産業技術総合研究所 環境化学技術研究部門
膜分離プロセスグループ 研究員
最終学歴および専攻:北海道大学大学院
地球環境科学研究科 博士課程修了
e-mail address: m-yoshimune@aist.go.jp
 
(2005.12.22 掲載)  

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