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女性会員からのメッセージ No.15
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経験から得るもの
(株)三菱化学科学技術研究センター 下岡 里美

 初めまして。三菱化学の下岡です。
私は現在、省エネルギーに関する材料開発を行っています。具体的には、新しく開発された材料や、既にある材料を有効に利用するためのシステムづくりや評価を行っています。実験をしたり、評価するための装置を作ったりすることは、経験やセンスも必要で、色々な人に助けていただきながら仕事をしています。また、研究を通じて大学の先生方との交流もあり、学会への参加や発表という経験もさせていただいています。

 私は工業高等専門学校(高専)の工業化学科を卒業して、今の会社に入社しました。高専の女性の先輩たちは、ほとんどが分析分野の仕事をしていたので、私も分析関係の仕事を させてもらうのだろうなぁ、と思っていましたが、実際は学生時代に一番苦手であった化学工学の分野で仕事をしています。
 学生の頃は決して優秀な学生ではありませんでした。化学工学は特に苦手で、どんな場面でその知識が利用されるのかがイメージできずにいました。あれだけ全く分からなかった化学 工学も、会社に入って実際の装置を目の前にして使ってみると、なんとか理解ができています。
 実は私は、今の開発業務は3年目で、入社してから約10年間、化学プラントの運転管理をする現場スタッフをしていました。同じ会社でも仕事の内容は全く違い、機械や電気等のトラブル対応に振り回されていました。現場での仕事は、生産のスケジューリングから原料発注、トラブル対応、コストダウン検討や安全管理まで幅が広く、広範囲な理解力が必要になります。社内でも、生産現場でのスタッフ経験がある女性はほとんどいませんので、この経験は私にとっても自信になっていますし、生産現場での経験や人脈は、今の仕事をする中でも、とても役に立っています。
 学生の皆さんは、こんな仕事がしたい!という希望もあると思いますが、実際に社会に出ると、やりたいこととは違うかも知れません。でも、そのときの自分の仕事を精一杯やることが、次につながることだと思います。どんな経験も自分の自信になり、他人から見れば信頼となりますから。

 私事になりますが、私は会社に入って数年は、仕事のことしか考えられずに、趣味も何もありませんでした。いつからか、少し心に余裕ができて、お休みをもらって旅行をしたり、会社帰りに習い事をしたり、という生活ができるようになりました。今は小さな子供がいますので、そんな余裕はありませんが、毎日充実して楽しいです。私は家事が苦手なので、夫や子供には「外で仕事をするから家事は手伝ってちょうだい」と言いながら仕事をしています。仕事は楽しいものではない、と言われるかたもいますが、確かに楽しいだけではないですが、私は仕事が大好きです。大好きな仕事をして、自分たちが開発している材料が世の中に出て、省エネルギーに役立ってくれたら幸せです。


下岡 里美(しもおか さとみ)氏
(株)三菱化学科学技術研究センター
表示部材研究所 エコエネグループ
(最終学歴 国立鈴鹿工業高等専門学校工業化学科)
e-mail address: 3906498@cc.m-kagaku.co.jp
(2005.11.25 掲載)  

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