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女性会員からのメッセージ No.10
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人として、女性として
群馬大学工学部 森下 佳代子

 「女性会員からのメッセージ」も、私で10人目になる。これまでに寄せられたメッセージを拝読したが、とても皆さんのような格調の高い文章は書けそうにないので、日々の雑感でお許しいただくことにしたい。

 ところで、私はこのコラム執筆を依頼されていながら、実は「女性のための○○」とか「女性からの△△」というのが苦手である。普段、女性とか男性とかそういったことを気にしていないからだ。私の所属する研究室には総勢24名の学生がいて、そのうち9名が女子学生、つまり3分の1が女子学生である。私達の研究室では、実験で使うガスボンベを運ぶのも、配管や配線も、男女の別無く全て自分ですることになっている。学生達を見ていると、最初は“できないフリ(?)”をしているが、コツをつかむと案外器用にこなしているのは、女子学生の方かもしれない。どうかすると、脚立に跨って配線しているのが女子学生で、テコについているのが男子学生というような場合もある。要するに、個人の能力の問題であって、性別など関係ないのである。そう、血液型や星座で性格を判断するのが、あまり根拠を持たないのと同じように。

 ではなぜ、改めて女性と男性で差別されることがあるのか?これまでの慣習や法律の問題もあるだろう。しかし、今、一番気になっているのは、女性自身の在り方である。先に述べたように“できないフリ”をする時に、「オンナだから・・・」などと言っていないだろうか?もちろん、男性の操縦術として、その呪文が必要な時はあるかもしれない。こと私に関しては、『ちょっと楽がしたい』と思って「かよわいから・・・」などと言っても、研究室の男性陣は「なに言ってるんですか!」と取り合ってもくれず、モンキーレンチやハンダゴテを渡す始末ですが・・・。いずれにしても、“呪文”を唱える必要がある場合以外には、何でも積極的にトライした方が自分にできることが増えて楽しいし、それだけ仕事に対する思い入れも深まるというものだ。別の誰かにやってもらう必要があるとしても、自分自身で中身を知っていて指示を出す場合とそうでない場合とで、仕上がりが大きく異なるということはよくある。

 とは言え、同じように仕事ができたとしてもなお、“区別”ではなく“差別”が起こる場合があるかもしれない。判断する相手の器量が小さい場合もあるから、それは気にしても仕方がない。システムや法の問題も一朝一夕には変わらない。ただ、自分の努力で克服できる場合もある。私が学生時代にアドバイスされたのは、「他を凌駕するだけの仕事をすれば文句は出ないはず」というものだった。「事実、私はそうしてきました!」と胸を張って言えるほどではないのが残念だが、確かにその通りである。逆に、女性が少ない環境では、その存在は目立つし、一挙手一投足が注目され、ちょっと手を抜くと指摘されてしまう。自分の在り方だけでは解決しない問題もあるかもしれないが、とにもかくにも、【いつもハツラツと、楽しみながら、自分のやるべきことを、そして誰でもできることを誰にも負けないくらい一生懸命やる】ということが、自分の精神衛生上も良いと思うし、周囲の見方も違ったものになると思う。私自身、この説が正しいかどうか実証実験していくつもりであるが、読者諸姉のうちご賛同の向きがあれば、またはだまされたと思って一緒に実験していきませんか?そして、改めて「男女同権」などと、声高らかに言う必要のない社会に早くしましょう!


 「ガテンな乙女達」(左より二人目が筆者)

森下佳代子 (もりした かよこ)氏
群馬大学工学部 生物化学工学科 助手
morisita@bce.gunma-u.ac.jp
博士(工学)
(最終学歴:群馬大学大学院工学研究科生産工学専攻)
(2005.6.28 掲載)  

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