vol.2020-02 (2020.7.28) | 学会本部活動通信

学会本部活動通信 2020年度 VOL. 2

2020年7月28日
庶務理事 辻 佳子

 化学工学会戦略企画会議では、化学工学会が会員および社会からから期待される役割、果たすべき役割およびそれらを実施するための戦略について議論しております。また、議論した戦略を、学会内担当組織(委員会、センター、コーディネーションチーム)にて推進するために、戦略企画会議は各組織と強く連携しております。

 さて、新型コロナウイルス感染症は国内のみならず、全世界に関係する問題です。私たちの暮らし方は日常生活も含めて大きく制限され、今までの経験から想定できる範囲を大きく超えた状況となりました。そのような状況下でも、みなさんは、オンラインの会議、講義、テレワークといった慣れない取り組みにも適応されてきたことと思います。また、化学工学の学術的水準の進展や人材育成に対する情熱を持ち続けてこられたことと思います。バーチャルとフィジカルのメリット・デメリット、それぞれが得意とする領域の理解が進むなか、化学工学会でも、オンラインによるコミュニケーションを活用しつつ、活動の質を上げていくために、新しいコミュニケーションのあり方を模索しつづけております。ここでは、現在まで戦略企画会議で議論してきたことの一部を、みなさんに紹介させていただきたいと思います。

1.学会主催イベントの新しい開催方式

 Withコロナの時代に、新しい学会のあり方をいち早く模索し、世の中に示していきたいと考えてきました。5月25日に本部大会運営委員長名で、「化学工学会本部が主催するイベント開催形態に関するCOVID-19対応ガイドライン」を発出させていただき、各種行事のオンサイト開催可否の判断基準を示させていただきました。  また、並行して、全国大会・講演会・座学講座・Chem-E-Car等のイベントをオンラインあるいはオンラインとオンサイトの併用で開催するための手法について、イベントの要件とオンラインで実現するためのweb会議システムの仕様の整理、各種web会議システムの機能調査、イベントの設計、イベント内のセッション進行方法の設計を行ってまいりました。これらの成果は学会本部にドキュメントとして保有しており、学会内の各組織に提供させていただきます。  オンラインとオンサイトの併用開催については、開催のための機材セットを準備し、トライアルを進めてきました。その操作方法マニュアルも学会本部として保有し、学会内の各組織にさせていただく準備をしております。  引き続き更に実効性かつ多様性に対応できるよう、学会員のみなさんとともに改善を図っていきたいと考えております。

2.ビジョンシンポジウムの主催

 私たちは、エネルギー・環境問題、少子高齢化問題、ポストCOVID-19など複雑多様化している社会的課題の解決と経済発展と人々のSufficiencyをすべて両立させる“Society 5.0”の実現に挑んでおります。本学会は2001年に策定した “Vision 2011”、そのレビューを踏まえた“Vision 2023”を行動指針として活動をしております。  2036年に創立100周年を迎えるにあたり、今後、Vision 2023のレビュー、そして、新しいVision 2036の策定と続いて参ります。そこで、第51回秋季大会最終日(9月26日(土))午前中に、今までの化学工学の実績と経験を振り返りつつ、化学工学がなせること、化学工学に今後求められることを、みなさんで議論させていただくために、第6回 化学工学ビジョンシンポジウム 「未来社会のニーズに応える化学工学のビジョン」を開催いたします。  新たな風をみなさんで起こすために、産学官の連携、学際融合、多様な価値観を大事にして老若男女が共に活きる学会を目指して、みなさんと議論したいと考えております。

3.学会運営に係る事務業務の効率化の検討

 テレワークの推進により、従来から課題となっていた、事務業務の可視化とスマート化の検討を加速することとなりました。具体的には、学会内の複雑な組織毎の会計を一元管理するための財務会計システムの導入、電子決裁の導入について検討をはじめております。対費用効果を考えつつ、ベストエフォートがだせる方法を見いだしていこうと思います。  withコロナ、postコロナ。これは私たちにとって未知の領域です。私たちが直面している課題を自身の問題としてとらえ、学会員が能動的かつ協力して、学会の活動をさらに活性化できればと思います。