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大震災による東日本の電力不足に関する緊急提言

 

大震災による東日本の電力不足に関する緊急提言
短期的には電力需要の時空間シフトが必要不可欠

公益社団法人 化学工学会


 2011年3月11日に、東北・関東地方を襲った地震・津波による激甚災害の犠牲者のご冥福をお祈りすると共に、被災された方の一日も早い復興を切に願っております。
 さて、本災害に端を発する関東・東北地方の電力供給不足は深刻な問題で、東京電力管内では既に輪番停電が実施されています。5月には一旦終息に向かうとの見通しがありますが、今夏の首都圏においては、ピーク需要時間帯である13-16時に約1,000万kWの供給不足が懸念されています。大規模な計画停電を伴わずに乗り越える方策について検討を重ねたところ、電力供給の積み増しや省エネ努力の継続は必要ですが、それでも数百万世帯分の電力が不足すると試算されました。我々は、それらの努力に加えてピーク時の電力需要を時間的および空間的にシフトさせることによって電力不足を埋めるための大規模な計画停電を回避できる可能性があるとの結論に至り、このことを政策立案者への提言としてだけではなく、一般の方々にも知っていただくために広く公表する次第です。
本提案の骨子は以下の3点です。
いただきましたご意見をもとに改訂をいたしました。本文をご参照ください。

本文はこちらです →icon 震災に伴う東日本エネルギー危機に関する緊急提言(4/13改訂)

1)電力需要の時空間シフト

 今夏までに東京電力が準備するとされる最大電力供給量4650万kWをベースに、さらなる電力供給の増加ポテンシャルは約365万kW、省エネやライフスタイルの変化による総需要削減ポテンシャルは約280万kWと見積もっています。大規模な計画停電を回避するためには、電力需要を時間的・空間的にシフトさせることが効果的で、これには約615万kWの削減ポテンシャルがあると試算し、これらの方策を合わせると適用前のピーク需要相当で6,000万kW弱まで対応可能であると考えています。時間的シフトには、ピーク需要時間帯を避けた勤務シフトと七曜制にとらわれない暫定的な休日設定を含み、これには労働基準法の時限的な規制緩和なども必要になります。一方、空間的シフトは、インセンティブによって企業活動を東京・東北電力管外あるいは海外の事業所へシフトさせ、それに付随する勤労者世帯の一時的な移転などを意味します。

2)電力需要の詳細データの開示

 今、最大電力供給量に対して全需要量がどの程度切迫しているか、なぜさらなる節電をする必要があるかを各人が判断し、納得した上で行動するためにも、電力需要を見える化することはとても有効です。すでに東京電力のWebサイトにおいて使用状況が1時間当たりの平均需要グラフとして閲覧可能ですが、速報性の向上や地域ごとの使用状況、天気や休日を考慮した短・中期の需要予測など、よりきめ細かく情報提供することで、大規模停電を避けるための効果的な行動の啓発と工場や店舗の営業計画に役立つことが期待できます。

3)電力供給中期ビジョンの提示

 今夏を乗り切るためには、電力需要の時空間シフトが必要と提言しましたが、移転を伴う場合は「いったいいつまで?」との当惑や困惑が生じます。見通しが立たない中では、個々人の生活設計ももちろんですが、企業の不必要な海外流出による雇用喪失・産業の空洞化も大いに懸念されます。政府は、今夏以降~数年後までの中期ビジョンと国民や企業に対する指針をきちんと示すべきです。これは一電力会社だけの仕事ではなく、新たな電力システムの構築について官民一体となって議論し、得られた成案をアナウンスすべきです。

上記の試算に用いたデータや仮定を含む提言の詳細につきましては、別紙「震災に伴う東日本エネルギー危機に関する緊急提言」をご覧下さい。


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